ある一見客の話
2月×日深夜2時
客ゼロ
近頃、充実しすぎる読書にも飽きたころ、ドアがガチャリと乱暴に開いた
一見客、ちょっとS方似
酒を飲んでいる俺が「くせえ」ってんだから、そいつはよっぽど酒臭かった(それもS方似)
年は50代半ばぐらいか
まずフェルナンデスのストラトに興味を示す(それS方の遺品ですのよ)
触っていいですか?
と交渉してきた
いいよ
そしたら
ザ・バンドをリクエストしてきた
スピーカーを拝みながら爪弾くこと15分(別に音楽に合わせるでもない)
はい終了
黒ホッピーの
中おかわり
タワーオブパワー
のりのりになって
スピーカー何度も拝む
メンバーの名前をぶつぶつ言っている
詳しいんですね
トイレ?
階段上がって突き当たりっす
そこじゃない・・
そこじゃないで~ああああ!
「ばたっ ばりっ ばたっ」
彼は過ってドアではなく
ドアの隣に飾ってある銭湯ポスター入りパネル(横尾忠則作)を引き開け
向こうの世界へ飛出していった
お客さん~っ お勘定~っ・・・。
店主敬白

